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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「三文オペラ」(ブレヒト・谷川道子訳)

 ドイツ人、ベルトルト・ブレヒトの戯曲。1928年8月初演。映画化もされている。劇中歌の「モリタート」は「マック・ザ・ナイフ」というタイトルで大ヒットした。

5.三文オペラ

イギリスのロンドン、貧民街ソーホーが舞台、人を殺して金を巻き上げる犯罪者メッキースは乞食の元締めであるピーチャムの娘、ポリーを見初め、結婚式を挙げる。2人の結婚を知ったピーチャムと妻のシーリアは娘を奪い返すために、ロンドンの警視総監ブラウンにメッキースの逮捕を要求する。しかし、メッキースとは戦友であり、賄賂を貰っていたブラウンは困ってしまう。しかし、ピーチャムに女王の戴冠式のパレードの時に乞食の仮装パレードをして、戴冠式を妨害するぞと脅され、やむなくメッキースを逮捕することを決めてしまう。
ポリーはその話をメッキースにするが、木曜日であったため、恒例の娼婦の家に行く。そこで、愛人のジェニーの密告により、ブラウンの部下スミスに捕らえられてしまう。
一度は脱出に成功するが、再び捕まり、絞首刑になる寸前に女王の使者が登場、恩赦が下り、年金1万ポンドと城が与えられる。
 三文オペラは乞食が作った歌劇。だから乞食にも見られるように三文だとか?作品は戦前のものだが、日本では今までに数名が翻訳しており、今回読んだのは最近翻訳された谷川道子さんのものだ。有名な訳としては、千田是也氏のものがあり、岩波文庫から1961年に発行されている。
 ブルジョア社会の道徳の混乱と偽善性を乞食と泥棒と淫売婦が痛烈に諷刺した胸のすく(と言いたいが本当は胸くそ悪い・・・)戯曲である。貧乏人と犯罪者が主人公の戯曲も珍しいのではないか?
「三文オペラ」と言うと、開高 健の「日本三文オペラ」という小説をずっと前に読んだ。こちらも大阪は京橋界隈に住み着いたアパッチ族と言われた貧乏人達が主人公の小説で、まさに三文オペラの日本版である。とても面白い小説であった。
 ジャズの曲で有名なエラ・フィッツジェラルドなどが歌っている「マック・ザ・ナイフ」がこの作品から出てきていたことを今回初めて知った。

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