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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「裏庭」梨木香歩

心臓の一打ちの間にどれだけの事が考えられるだろうか?夜明け間際のまどろみの中で一度目が覚め再び眠りにはいる、そして長い夢を1ストーリー見る。目を覚まして時計を見るとわずか1~2分しかたっていない、こんな経験をすることがある。いかに人間の頭脳は高速で働いているのだろうかと思う。
この物語の中ではいつも、「礼砲」と呼ばれるものが鳴り響いていた。最初はその違和感のあるものの正体が分からない、そしてその「礼砲」の音の意味を読みとる”音読みのおばあさん”が出てくる(おんよみではなく”おとよみ”と読むらしい)悲しみ、危機、崩壊、建設・・・礼砲の音が現している意味を解するのである。さて、「礼砲」とは?
裏庭(バックヤード)の意味するものは大きい。それは時には命まで奪ってしまう可能性を持っている。荒れ果てた「裏庭」は常に修復し、育てて行かなければ大変なことになる。「裏庭」とはまさに人の心の奥深くにある感性の庭なのである。
作者、梨木香歩はこの物語の中に多くの比喩と大切な想いを織り込んだ(織り込むという表現は彼女に会っている)それらを読み解くことも本作品を味わう重要なポイントであろう。読んだ後、自分の生き方に大きな反省を感じさせる物語であった。よかった。
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