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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「通天閣」(西加奈子)

 友人のSさんに紹介してもらった小説及び作家です。第4作目のようです。荻原浩の小説に出てくる、もうどうしようもない人間、そんな人達が出てくる読み始めに実は少々嫌気がさし途中で読むのやめようかなと思ったのだが、カバーにクライマックスでは深い感動が・・・と書いてあったので兎に角我慢して読み進んだ。

通天閣

 出てくる人物はたしかにしょーもない人間達ばかりなのだが、(自分を棚上げして言っているのであり、自分もよくよくみてみれば、登場人物とそれほど距離は無いのですが、ま、しょーもないという表現は自分も含めた、この世の中の大半の人々は考えてみればしょーもないのかも知れません・・・と弁解しておく)
 基本的には社会と距離をおいて生きていく事に決めた男と、何だか惰性で生きているような女の物語がオムニバスに流れていきます。惰性的、堕落的日々が延々と流れ、実はその最後のホンの一瞬がクライマックスなのです。
 そのホンの一瞬の間に起こる出来事で、この二人、人生に対する思いを変えるのですね。彼らを取り巻く社会は実はなにも変わらないのだけど、思いが変わることによりこれほど人生に対する気持ちが変わるものか・・・ここがこの小説の真髄なのです。私もこれを読んでちょっと頑張ろうかなと思った次第です。
 題名の通天閣、主人公の二人が住んでいるのがこの通天閣の近く。そして、二人が人生の見方を変える、あるきっかけとなる事件があったのもこの通天閣。だからそれが題名なんだろうけど、大阪弁や通天閣界隈の人々の何というかどうしようもない雰囲気というか、そんなものもよく出ている小説であり、関西人としてはとても親しみの持てる(持ちたくないという意識も少しはあるのだけど・・・)小説でありました。
 一番印象に残っている言葉・・・「キラキラしていなければ生きていてはいけないのか・・・」最高!

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