FC2ブログ
 

2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「西の魔女が死んだ」梨木香歩

この童話?は人生にとって大切な事を教えてくれるすぐれたものである。魔女は”自分で決める”こと、これはその最たるものである。その他には”信じるものを持つこと”、”思いこみをしないこと”。明言的には出てこないが、”人を信じる事”、”優しい心で対応すること”等である。

主人公まいの大好きなおばあちゃんは大の日本好きの英国人。彼女はオールドファッション的な英国人女性の生き方、つまり、いろんな知恵を生かした主婦の生き方をしている。主婦(日本的な言い方だが)といっても、畑でハーブの栽培や、自然と共に生きる素晴らしい暮らしなのである。そして、最高の秘密は「魔女」であるということ。まいは「魔女」の末裔としてワクワクしながらその修行に励むのである。
修行といってもごく普通の日常の生活の一端でしかないのだが、(魔女という)自覚を持って物事を行うのと、苦役と思ってやるのとは随分大きな違いがある。「魔女」とは自律的に生きるための魔法の言葉かも知れない。素直な中学一年生のまいが思うのと同じように、私のような歳(もう、おっさんと言われる歳です。)の者であっても何かしら「秘密の合い言葉」のように感じられるのだ。
梨木香歩さんの小説は「からくりからくさ」にある”日常を生き抜く”ということの大切さが根底に流れている。生き抜くためには何が必要なのか?それが、”自分で決める事”、”信じるものを持つ”ことなのだと思う。
クライマックスは感動的であった。明るい死に方、魂の解放、わだかまりの解消、そして、大切な約束の実行がここに凝縮される。思わずナイス!と叫んでしまう。そして・・・「アイ・ノウ」おばあちゃんのやさしさが滲む。

スポンサーサイト



PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する