
人の“死”ってどんなものなのだろう?物語は少年たちの素朴な疑問からはじまった。人の“死”を見るために、近所にボロボロのゴミダメのような家があり、そこに住んでいる死にかけてる(と思われる)お爺さんの監視を始めるのだ。やがて、そのお爺さんと3人の少年は親しくなり、おじいさんの家の掃除や修理、草抜きなどを手伝うようになる。お爺さんも少年たちと交流が出来て、次第に生活に張りが出てくる。そして身の上を少しずつ話すようになる。
少年たちの行動力は素晴らしい。昔、お爺さんと結婚していた女性を探しだし、会いにいったりする。自分達で綺麗にしたお爺さんの家の庭にコスモスの種を撒き、花が咲くのを楽しみにしていた。
忙しい少年達の夏休み、8月の終わりにあった、サッカーの合宿から帰ってみると・・・・。
子供(達)が主人公の小説はいつも感動する。”つぐみ””君たちはどう生きるか””僕は、そして僕たちはどう生きるか””サウスバウンズ”“西の魔女が死んだ”“愛しの座敷わらし”“星の降る町”等々。(少々作家に偏りがありますが・・・)子供の目を通して、子供の心で語らせるという方法が、大人が話す、もしくは思う形より、より素直で、より純粋だから読み手に与える感動も大きいのかも知れない。
少年達の心はいろんな経験をし、いろんな事を思いながら成長してゆく。そしてやがてオバケは怖いものではなく、親しみが持てるものとなる。


