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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

映画「メトロに乗って」(浅田次郎原作)

 随分以前に見た映画であり、原作も読んでいたのだが、久しぶりにテレビでやっていたのでまた見てしまった。
ご存じ浅田次郎の奇跡を起こす小説。家庭を省みない暴力をふるう金の亡者であるとんでもない父親に決別し、主人公は家を出る。そして、小さな下着販売店へ。父親が重い病気で入院し、父親の会社を継いでいる三人兄弟の弟から会ってやってくれといわれても、決して会いに行こうとはしなかった。

 そんなとき会社帰りに赤坂見附で乗り換えの地下鉄を待っていると、昔の恩師(田中泯)に出会う。暫く話しているうちに半蔵門線の電車は来なくなり、人影もなくなってしまった。時間は0時前。主人公真次(堤真一)は銀座線にのるべく、地下道をあるいていくと、ふと、高校生の時に無くなった兄の後ろ姿を見つける。追いかけて、地上に出るとそこは、1964年の新中野であった。
 携帯電話は繋がらない。赤い色をした公衆電話で弟に電話を掛けると、それは現代の家に繋がった。町中をあるいていると、スマートボール屋に兄の自転車が・・・。はいるとそこにはスマートボールをしている兄が居た。自分は叔父だと名乗り、兄を家まで送り届け、決して外に出るなと念を押す。兄が交通事故で死んだ時間の少し前であった。こうすることにより、兄は生き残り将来が変わるのではないかと・・・。真次は現代へ帰っていった。
 真次は会社の同僚であるみち子(岡本綾)と不倫していた。みち子のアパートへ行った時、今度は二人でトリップしてしまった。時代は終戦直後、ごった返している闇市で特攻隊帰りの少年にカツアゲされそうになる。アメリカンエクスプレスカードを見せると、米軍関係と勘違いされ、少年たちは報復をおそれてその地域のボスであるアムール(大沢たかお)の助けを求める。アムールが真次の父親だということはまだその時は気づいて居なかった。アムールと街をあるいていると、みち子が警察に検挙されているところを見た。真次はアムールに頼み、みち子を助け出してもらう。
 次にトリップしたのは同じく終戦直後、アムールにみち子を助けて貰った礼を述べた時、アムールの恋人・お時(常磐貴子)と出会った。アムールは真次のカバンを勝手に開け、そこからシルクの女性下着を見つけだす。アムールが次の仕事として始めた下着産業のきっかけがそれであった。アムールは命がけで、米兵をだまして金儲けをしていた。戦時下、国民はまさに生きるのだけでも必死の時代であったのだ。
 次にトリップするのは、みち子といっしょであった。真次の兄が亡くなる直前の時代。そこで初めて真次の兄が死んだ原因が分かった。兄を救う事が出来ず、みち子とふたりとぼとぼとあるいているとそこにちいさな祠が、みち子は毎日、お父さんが来ないかとここで祈っていたのと言う。その長い石段を登って行くとそこには・・・・。
 父親の生き方、みち子は・・・・。時代が人を規定し、その流れに翻弄される人生。その背景の時代に行かなければそれは分からない。でもそんな時代へ行けるはずは無いのが現実だ。メトロに乗ってその時代に行けるのはメルヘンだが・・・・運命は悲しい。
 予定調和と言えない事はないが、巧妙なストーリーである。さすが浅田次郎と思わせるフィクションである。腕時計、指輪、そしてオムレツがキーワード。

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コメントコメント


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これワタシも読みました。
 確かにストーリーとしては面白いのですが例の「タイムスリップ」を使った時点で少々白けるのですけれど。
 同じ次郎さんの作では「角筈にて」はこの作品とかなり重なる部分が有り興味深く読めると思います。

うんちく | URL | 2012年08月15日(Wed)21:46 [EDIT]


うんちくさん
 浅田さんの小説はほとんど読んでいます。”角筈にて”も良かったです。天国までの100マイルだったかな?、も、ラブレターも、きんぴかシリーズ、プリズンホテル4編、蒼穹のすばる・・・・まじめなものもあれば、ふざけたものも、でも、みんな楽しめますね。”小説はエンタティンメント”これにつきますね。

四方山果無 | URL | 2012年08月15日(Wed)22:32 [EDIT]