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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「69」sixty nine 村上龍

 1952年生まれの作者の高校時代の出来事をつづった小説。おもしろかった!そしてなつかしかった。僕は1958年生まれだから若干古い時代が背景の小説にはなるが、でも、小説の中にちりばめられているたくさんのアイテムはなじみのあるものが多い。
 

 主人公(作者)が通っている進学高校でのバリケード封鎖や、近隣高校の生徒を集めてのフェスティバル。すばらしい行動力、というかプロデュース力。すごい。これら行動のすべてがメス(女性)を手に入れるという一つの目的のため・・・と作者は言う。いろんなことを企て、いっぱい殴られ、それでもめげない性格はなかなかいい。この軽い小説の中に、彼の人生に対する思いもしっかり込められている。それは、「楽しく生きること」楽しく生きないと生きる価値は無い。楽しく生きないやつは早く死んじまえ。
 それからもう一つ、学校は人間を家畜に変えるための仕事をしているところ。「退屈」の象徴。確かにそれはある。日々学校に通わせることにより規格化された「働き人」を製造していくのだ。そんな体制に作者は反抗している。それが、この小説にあるいろいろな「祭り」的な行動なのだろう。
 軽い、そしておもしろい、すぐに読めてしまう小説なんだけど、後に印象の残るものだった。
 意外に思ったのは主人公は恋いこがれていた「天使」に口づけをしなかったことだった。高校時代は輝かしい日の当たった時代だった。そんな時代を思い起こさせてくれる小説でした。ぜひともご一読を。
ちなみにセンセーショナルなこの小説の題名「69」はこの小説の年代1969年の「69」のようである。

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