FC2ブログ
 

2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「写真と人生」

書評「写真と人生」

 「写真と人生」土門拳エッセイ集 阿部博行編 同時代ライブラリイ321

 かの有名な写真家土門拳1909年生まれ。明治の人である。写真集「古寺巡礼」「風貌」「室生寺」「ヒロシマ」「筑豊の子供達」棟が有名。「絶対非演出の絶対スナップ」とか「リアリズム」という言葉が有名である。

モノクロのキリッとした写真が多く、人物などは肌のきめ細かさまで写っている。毛穴まで写してしまう・・・・と言われていた。
 本書は土門拳のエッセイを写真集の前書きあとがきなどから収集してきたものである。これによって土門拳の人となりを理解する事が出来る。
 子供の頃は画家になりたいと思っていた。家庭はかなり貧乏であった中学校を卒業すると色んな仕事をして食いつないでいた。ブタ箱にも入った。商業写真もやった。随分苦労されたようである。戦争が始まるとかなり国粋主義的な考えを持つようになった。その考え方で世の写真を手厳しく批判していた。
 土門拳は情熱家である。写真に関する自分の考えは決して曲げない。そしてその考えのとおり行動する。これはすごいことである。報道写真家としても仕事をした。戦時中の物が乏しい時代にありったけの米を背負って全国の寺院を巡り、写真を撮り続けた。
 多くの人が褒めちぎるマグナムの写真をクソミソにこき下ろしている。こんな、個性の強い頑固者は当然敵も多い。私自身は土門拳の多くの写真は好きではあるが、戦争中の右翼的な考え方は好きになれない。ま、だれでもそうであるように一面の良いところがあっても他の面ではどうしようもない面もあるのがふつうである。
 激動の時代、その流れに翻弄されながらもその意志の強さと頑固さで乗り切っていった土門拳の歩んだ後が読みとれるエッセイ集である。

スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する