カルマンギアの載っている雑誌や整備書を眺めながら、もういても立ってもいられなくなり、先日「ス○ー○・ウ○ル」へまず、ホイールだけをいただきに行った。不動状態で20年間もその場に鎮座していた「たま」(実はカルマンに名前を付けたのです)はタイヤが完全にへたってしまっており、引き出して積車に乗せるにも、レストア場所での移動にも不便となるため、先行して、ホイールのレストア及びタイヤの購入をしようと考えたのです。
・・・・・なんて言いながら、実は、レストアする「たま」をしげしげと見たかったのが本音です。

後ろ側は比較的綺麗です。この魅力的なおしり!もーたまりません。しかし、リヤエンジンのボンネットの蓋の下端部などはそれなりに腐食しています。テールランプは三日月型といわれているタイプです。車台番号がわからないので、製造年が不明なのですが、1966年~1967年当たりではないかと踏んでいます。

フロント側の塗装の劣化は結構激しく、ペリペリとはがれてきています。これはレストアしがいがあるな・・・なんて117オーナーズクラブのS川さんが励まし?てくれます。

前にまわると・・・・
な!無い!カルマンギアの最大の特徴と思っているフロントのエアダクト。猫のひげのようなあの部分が埋め潰されています。これは一大事!前部下側は比較的塗装の状況がいいのですが、拳で叩くと結構堅い音が・・・。おそらくパテ盛りされているんでしょう。ヒゲの無いカルマンギアはカニが入っていないカニクリームコロッケのようなものだ!これはもう一台ある「黒カルマン」から寸法取りしてなんとしてでも復活しなければ。

後、特徴的なところはリヤクオーターガラスが開閉すること。
さて、運転席ですが、マニュアルです。三つのペダルがこじんまりと付いています。

メーターは大きいのが二つ、小さいのがひとつ。大きいのは左が速度計。マイル表示です。オドメーターは3万キロくらいを示していますが、5桁しかないので実際はいくら走っているのかはわかりません。あ、言い忘れていましたが、ドイツの車なので、ハンドルは左にあります。右側は時計。その二つのメーターの真ん中、上にあるのが、ちょっと小ぶりな燃料計です。ホーンボタンや各種スイッチのつまみが無いので、手にいれなければ。

リヤのボンネットを開けると、こじんまりとしたフォルクスワーゲンのエンジンがあります。エアクリーナーがありません。年式からだと、このエンジンは1300ccでしょうか?空冷の水平対向4気筒、OHVです。

キャブレーターはシングルです。まるでバイクのキャブのようにこじんまりしている。ま、出力50PHくらいとのことなのでこんなものでしょう。この非力なエンジンでトコトコ走っている「タマ」の姿を想像しながら知らずにニヤ付いていたのでした。(気色悪っ)

12Vのバッテリーが付いているので12V仕様なのでしょう。カルマンギアは1966年までは電装が6Vだったようです。しかし、後年、6V車は12Vに換装されている車が多いとも聞きますので、「たま」が元々どっちだったのかは配線などをじっくり見て行かないとわからない。

次に下回りを見る。フロントもリヤもドラムブレーキ。ハブのPCDは205ミリと広いタイプだ。これも1966年を境にPCD、本数ともに変更されているようなので「たま」は1966年生まれであることがますます濃厚になる。(実は車台番号はリヤシート下のフロアトンネルにある・・・とY本さんに教えていただいており、これを見ると年式なんてすぐにわかるんですが、あえて見なくて年式を推理するのもおもしろいものです)

エンジンから出ているエクゾーストから熱交換し、暖房に使う「ヒートエクスチェンジャー」という部品です。よく錆びており果たして再生できるかどうか?・・・確かにやりがいがありそうです。
この日はほかにもたくさん写真を撮ってきました。また、「たま」に関する新たな発見を順次アップしていきますね。
最後になりましたが、Y本さん、仕事の手を止めてしまいすみませんでした。S川さん、予定外の労働をさせてしまいごめんなさい。
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