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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

映画「学校Ⅳ」2000年

 お馴染み学校シリーズである。2000年の映画なのでもう21年も前のものだ。なんで今頃そんなもの・・・と思われるであろうが、それはそれ、色々個人的な事情があるんですよっ。
第4作目は学校自体が舞台ではない。投稿拒否症の中学生が家出をし、その途中で色々な人と知り合い人生勉強をし、社会を見て成長する過程を描いている秀作なのだ。
 

小学校でならった樹齢7000年の屋久杉、縄文杉ともいわれるこの幹にふれると力が湧いてくるのではないか・・・。そんな夢を持って、主人公の大介は家出をする。ヒッチハイクをしながらまず大阪へ。出来る息子を持ちながら会社が倒産し、離婚の憂き目にあいながらも必死で仕事をするおじさん。家出少年と知りながらトラックに乗せ、大阪では九州行きのトラックをさがしてやる赤井英和の演じる運転士。大阪から九州宮崎までは女性ドライバー(麻実れい)。彼女には大介と同い年の娘、そして自閉症の息子がいる。長距離トラックの運転手で長期間、家をあける母親の替わりに娘は痴呆の祖母のめんどうを健気にみている。大介と自閉症の兄は話しが合い、親には話しすらしないのに、大介とは色々と語り合う。別れ際、その兄は大介に帆船の写真を渡す。その写真の裏には兄が作った詩がしたためられていた。「人は馬に乗って早く進むが、僕は歩いて行く。それは、地球がくれる全てのことを受け止めるためだ。必要ならば僕は立ち止まる。」何もしない息子だとおもっていたのにこんなにしっかりと物事を考えている・・・。トラックの女ドライバーはその詩を主人公に音読させ、息子の考え方を知り涙ぐむ。
 屋久島へフェリーで渡った大介は縄文杉を見に来たお姉さん(高田聖子)と知り合い、一緒に山へ登る。その途中、早く「一人前」になれと言われる。「一人前」とは・・・?主人公は考える。
 下山途中道に迷い、何とか下山出来て疲れているところで出会ったのは地元の老人(丹波哲朗)であった。彼の家に止めてもらった翌日、老人は立てなくなってしまう。そして、失禁し、自己嫌悪に陥いり腹を切って死ぬと言う。大介は一生懸命その老人の看病をする。薬局の店員が老人の息子にそのことを知らせ、息子は老人を病院に入院させようとする。大介はおじいさんの息子が老人の失禁を声高に話すのを聞いて、「なぜおじいさんの気持ちが汲めないんだ、大人のくせに・・・」とののしり、家を出ていく。このとき少年大介は一つの成長を遂げたのだと思う。今まで、自分の事だけしか考えてこなかった自分であったが、このとき、初めて他の人のこと、人の気持ちが分かり、その人のために抗議をしたのであった。少年は自宅に帰ることにした。
 この短い家出(冒険の旅)は少年にとって素晴らしい旅であったと思う。まさに生きた学校なのではないかと思う。世間はこんなにも多くの大切なことを少年に教えてくれる場であるのだ。出会った人々の苦悩や優しさ、それらに触れることにより、初めて自分の事だけではなくひとのことが考えられる「一人前」の人間になれるのだと思う。まず自分の事を知ること、そして「一人前」になること。これが一番大切なことなのである。
 もう201年も前の映画を見て、恥ずかしいことに私は最近こんなことすら忘れていたような気がする。大介が社会の断片に触れ、そして考える姿が愛おしい。
 大切な事を思い出させてくれた映画であった。

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