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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「女たちの遠い夏」カズオ・イシグロ

 「女たちの遠い夏」カズオ・イシグロを読みました。先日NHKだったか、カズオ・イシグロの新しい小説を紹介していました。長崎生まれで4歳でイギリスへ移住し、現在はイギリスに帰化している著者は、文学界ではイギリス最高の栄誉である「ブッカー賞」を受賞しています。以前、私は「私を離さないで」を読んで感銘を受けました。カズオ・イシグロさんの著作は10冊前後ですのでこれから全部制覇しようと思っています。最新作は「夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」です。
 さて、「女たちの遠い夏」主人公の現在と回想が交互に現れる構成になっています。回想の舞台は終戦直後の長崎、混乱の中で生き抜いて行く、友人の佐知子、うどんやの藤原さん、そして、自分自身の生き方や考え方がその時代背景を映し出している。
 主人公悦子は自分の娘景子の自殺をきっかけに、長崎時代を回想し始める。当時の人々の心の中には終戦前後の混乱、原爆によるがれきと化した町、そして敗戦、連合国といってももっぱらアメリカに占領された中での必死の復興。肉親の死、外国人による蹂躙そんあものがどろどろと渦巻いていた。そしてまた、そこからはい上がるべくもがいている人々も多く居た。はっきりとは意識出来ないが、そんな背景が強く意識される作品である。佐知子の娘万里子のキャラクターが印象深かった。

女たちの遠い夏

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