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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

萬歳池揚水機械場のことを少し補足

昨日の記事で萬歳池と凱旋池の揚水機械場の跡地捜索について書きましたが、少し補足します。
萬歳池揚水機場の地図(抜粋)
出典:『東播磨の民俗』(石原完次著)1984.9神戸新聞出版センター
萬歳池が構築されたのは大正12年頃。
池を構築したこの地域(中一色)は印南野台地の高位段丘の上で従来より灌漑用水がありませんでした。
そのため、東側を流れる曇川より、萬歳池、凱旋池に水を汲み上げ、必要な時に利用できるようにするのが目的でした。
揚水ポンプの構造(縮小)
出典『加古川さんぽ(上・下)』(飯沼博一著)2019.5
揚水ポンプは当初20馬力の蒸気機関で稼働させ、後年には電気式となった。
曇川の「青之井・中井」に吸水口があり、126間(約230m)の暗渠で中一色の機械場まで流し、ポンプにより49尺(約15m)持ち上げて、再び暗渠により萬歳池等に送られていたという。
萬歳池ポンプ場(囲い)
出典:『東播磨の民俗』(石原完次著)1984.9神戸新聞出版センター(囲いは筆者)
当時の写真が上記書籍に残っており、今回教えてもらった場所(下の写真)は黄色く囲ったレンガ造りのタンクのあった場所である。
揚水受け口跡
少し余談ではあるが、この場所にかつてあったレンガ造りのタンクについては昭和55年(1980年)小学校の社会科の教科書『小学校社会四年・上』に載っており、地域学習モデルとなったとのこと。
揚水ポンプ跡
このレンガ造りのタンクの跡地より下を見ると、上の写真のとおり、少し前まで使用されていた揚水機場と石張りの受水槽が見える。恐らくこの場所にかつての”機械場”もあったのではないかと想像するのである。
現在のポンプ受け口跡
現在のポンプは少し前に故障して使われていないが、ポンプアップされた水はかつてのレンガ造りのタンクの近くに別途あり、
更に萬歳池直下にもう一台ポンプがあって、それにより池へ水を溜めているということであった。
今後のテーマは機械場の場所の確認と機械場の受水槽への流入水路の確認をしたいと思っているところである。
萬歳池石碑
前記までの記述は『東播磨の民俗』(石原完次著)1984.9神戸新聞出版センターにあるが、元々は上記「萬歳池石碑」の記述からのようである。ちなみに「萬歳池石碑」は神野町石守の県道18号線と383号線の交差点にある。
加古川さんぽ上下
ポンプ機械場の絵を引用した『加古川さんぽ(上・下)』(飯沼博一著)2019.5は、
加古川市内の歴史的遺物や人物、企業、古墳など歴史全般が記載されており、読み物としてはとても楽しい。広い範囲を網羅されており、興味深い記事も多い。
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