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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「山びとの記(木の国 果無山脈)」

山びとの記(木の国 果無山脈) 宇江敏勝者  中公新書


著者は生まれてから今に至るまで、山に暮らし、山で働いてきた、斜陽の産業、林業に携わりそれを底辺で支える人々の生活、慣習、変遷を紹介し、また、山での食事、山で出合う動物達のことなども書いている。

林業の労働は非常にきつく苦しものだと思うが、著者の言葉からはその苦しさがあまり感じられない。むしろ山に入り、山で仕事をすることに楽しみを見いだし、さらには都会で暮らし、人垢にまみれる生活と比べれば解放感すら感じられる生活であると言っている。
 かと言ってその生活がすばらしいもので「あなたもやってみなさい」と人を勧誘しているわけでもなく、アウトドアはやりで立派な4輪駆動車に乗ってわがもの顔に山中を走り回る者たちに対して山びとの代表として苦言を呈するというお説教くささもない。また、斜陽産業である林業に携わっているものの厭世観を表しているわけでもない。ただ、たんたんと自分自身の山暮らしを楽しみ、自分自身の経験してきた山での生活から感じたことや林業を取り巻く社会の変遷、それを担っている人々の変遷を長い視点でもって記録している。
本書の背景には膨大な著者自身の時間(人生)が蓄積されていることを感じさせられる。
 長い歳月をかけて成長する樹木、それを育む山を相手に暮らしているとこのような視点にたてるものかと思い、自分自身の日々あくせくしている生活を反省させられる。

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コメントコメント


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遅くまで起きてらっしゃいますね、この本の副題はHNの元になってるのでしょうか?素朴な疑問です。

戸川流 | URL | 2007年02月25日(Sun)05:28 [EDIT]


ご推察のとおりです。

実は昨夜は9時に寝てしまったので3時に目が覚めてしまいました。
ご推察のとおり、私のHNの一部はこれから来ています。初めてそんな名前の山脈があったことをこの本を読んで知りました。果てが無いなんてなかなか広大なイメージがあるでしょ。四方山話しを果てしなくしているのが人生かも知れません。

四方山果無 | URL | 2007年02月25日(Sun)05:42 [EDIT]