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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「生きること死ぬこと」

書評「生きること死ぬこと」  土門拳のエッセイである。「写真集・筑豊の子供達」で知っている写真家である。また、「古寺巡礼」でも有名である。この傲慢な文章。と前書きを反発を感じながら読んだが、意外と人間味あふれるエッセイであった。ていねいな説明、平容な文章でわかりやすかった。いい文章とはこのようなものをいうのであろう。(ひとつだけ、ひっかかったのは「チョロスナ」という専門用語?がわからない)

自分の生い立ち、報道写真家までの道のり、どんな写真を撮りたいか、「写真」とはどんなものか、商業写真と報道写真の違い、若い人へのアドバイス、プロとアマの違い、プロのジレンマ、報道写真家のジレンマ、いろんな事がわかった一冊であった。また、土門拳のすばらしい写真が10数枚挿入されている。「風貌」での土門が撮影した文筆家の写真などはすごい。その人自身の気性、性格までをも写し出しているかのように思える写真である。カラー写真にはない表現力である。これこそモノクロの出番だとでもいうような写真である。すばらしい。 青い空・・・は「空」だけで青空が連想されなければならないという自分の詩への友人の指摘が書かれている。そうなんだ、空は空だけで「青い」ということを表現しなければならないのだ。ならば、人は人だけで人たる何かを表現しなければならないのだ。これこそ、写真や文学や芸術を含み込む真実ではないだろうか。 土門拳はアマチュアに言っている。アマチュアが下手なのは、自信がないからだ、せめてシャッターボタンを押すときは自信を持てと。アマチュアは何を撮ろうと自由である。しかし、何を撮っていいのかわからないと。

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