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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

書評「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ

友達の友達からこの本を紹介されました。イギリスに住む日本人カズオ・イシグロ氏の著書「わたしを離さないで」土屋政雄氏訳、2006年4月発行。本日読了です。素晴らしいフィクション、素晴らしい恐怖、実はもうすでに現実?多感な少女の日常の心の動きを繊細に語っている物語・・・・なのですが、そして、ごく日常の私たちの生活の中の一こまに見えますが・・・・科学技術の進歩は人間をどこまで非人間に出来るか?別の面から言うと、人間の人間らしい欲望はどこまでがみとめられるべきものであり、どこからは認められないのか?この小説は私に大きな動揺を与えました。未来の問題でもあり、今の問題でもある・・・・・がテーマとなっていますね。

何を言ってんだか全くわからない?でしょうね。何かを書くとネタばれになってしまって、後で読む人に申し訳ない。
主人公キャッシー31歳の1人語りもしくは回想が延々と続く。子供のころから青年になるまで、親しい友人との間の心の交流やすれ違い、そんな話が延々と続きます。読み進んでいると彼女の言葉の中や、友人の言葉の中にポツリ、ポツリと気になる言葉が、しかしそれも全文を通して1回切りしか出てこない言葉もあります。その少ない言葉から、この物語の裏にある世界が少しずつ感じられてきます。
キャッシーやその友人の語ることば、行動は何故だかなにかに抑圧されているように感じ、それが、この物語全体のイメージを作っています。そしてまた、この物語の持つ主題をまさにこの雰囲気で表現しているのです。
からりと爽やかな小説を好まれる方にとっては、あまり面白くないかも知れません。また、物語の大半を占める1人語りを読み通すのは少々の忍耐力も必要でしょう。でも、読んでよかったと思いました。

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