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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

キャロリング「有川浩」

 彼女は本当に根っからの悪人を作るのが下手だ。どんなに悪人面していてもその奥には悪人になり切れない面が出てくる。それからもうひとつ、こうなってほしいと望む読者の希望を裏切る小説を書かない。世の中善人ばかりと予定調和の安心感。
キャロリング

 会社が潰れるというとても厳しい状況の設定なのだが、当事者たちはとても余裕があり、焦りや怒りが全く無い。そんな現実ってないよな。
 と、まあ決して誉め言葉では無い評価をしているのだけど、すごいなと思うのは、ここに登場する人物、全部で16人、その一人一人がとてもリアルに頭に浮かんでくる、とてもキャラクターを立たせるのがうまいのだ。そしてまた、みんなかわいいキャラばかり。(かわいいといっても表面的なかわいらしさではなく、性格や気性の面からのかわいらしさである)
 今まで彼女の小説はたくさん読んできた。“図書館シリーズ”は1冊しか読んでないけどそれ以外はエッセイも含めてすべて読んだ。とても楽しく読めて、作中の人物も好きになれ、残りのページが少なくなるのが惜しかった。特に「阪急電車」と「県庁おもてなし課」はよかった。
 話は逸れたが、この小説は最初に書いた感想もあるがとても楽しく読めたことは間違いない。文章の運びもとてもうまいと思った。この小説も続編が書けるのではないだろうか。
ちなみに登場人物の中で私が一番好ましいと思ったのはベンさんでした。

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