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2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

クローバー・レイン(大崎梢)

 大崎さんの小説は初めてよみました。東京のSさんから紹介されたものです。昔の作家の新しく書いた小説を偶然読み、出版しょうと奮闘する大手出版社の若手諞集者が主人公。どのようにして小説は出版されるのか、その業界の仕組みやその中での奮闘ぶりがとてもよくわかる小説であるがその底に流れるものは良い文章を世の中に出すという事に対する情熱の大切さを描いている。
クローバーレイン

文芸書はマスプロ的に作られるもの。有名作家はそうなるように育てられるもの。本とて宣伝しなければ売れないし、知ってもらえないもの、そのために編集者から本屋に至るまでが努カしているということがよくわかる。
小説の中では同業他社の営業や編集者とのわたりあいもあるが辛辣な会話の中にも仲間意識が感じられる。また、老舗である大手出版社から新しい思いや視点で自分がよいと思った作品を世に出すことの困難さもよく表されている。
この作者はその世界にかつてはいたのだろうなと思う。
この小説が伝えようとしているのは出版業界のことがメインではなく,作家とその娘との関係や、その娘と主人公である編集者との関係、さらに編集者と歳の近い叔父との関係なのだろうが、どうしても本作りの要素の方が興味深かった。
作家の娘と編集者との恋心や叔父との接点などはラスト数ページになっても出てこない。最後の最後にわずか2ページでまとめ、更にその先がありそうな予感を残すなんて、流石にプロだと思いますね。面白かったです。

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