FC2ブログ
 

2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

海の見える理髪店(荻原浩)

荻原浩の短編6編、いずれも家族がテーマ。

主人公はネットで見た海辺の街にある理髪店を訪ねていく。来週結婚式を控え、初めて理髪店で調髪してもらいに。
海の見える理髪店(荻原浩)

  店主は調髪している間、海の見える大きな鏡の事から自分の生涯、ここに来た理由などを主人公にとつとつと話す。苦労をした若い頃、自分が工夫したある俳優の髪型が爆発的に売れた事、2号店を出し、それがうまく行かなかった事、そして離婚、従業員を弾みで傷つけ、それが元で死亡し、服役していたこと、そして今、ここに居ること。
 また、主人公も来週結婚する事を主人に話す。庭には子供の乗る古びたブランコがひとつ。
 どんなに饒舌であっても言葉に出しては言えない事、言えない相手が居る。そしてまた、言葉では何も伝えられないが会いたい人もまた居る。切なくやりきれない、しかしどうしようもない・・・そんな事が人生にはある。
 店主の最後の言葉、「もう一度お顔を見せてください、仕上がりを確認したいので。」
泣けます。

スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する