2台のクーペと”四方山果無(よもやまはてなし)”World

まく子(西加奈子)

 この本はほぼ1年前、一度借りて山陽本線の新快速の中で読んでいた時に居眠りしてしまい、落としたことに気づかず非常に慌てた本である。幸い親切な人が図書館に届けてくれたようで、弁償しなくてすんだのだが、その時読み終えてなかったのであらためて借りてきたのである。
まく子

 主人公は小学5年生の慧(さとし)という少年。慧の家は温泉地で旅館をしており、そこに住み込みで働く母親とともにコズエという同級生の少女が来る。コズエはすらりと背が高い美少女であった。学校の生徒や町中の人々はみんな彼女の事を気にする。しかし、慧はコズエを避けていた。
 ある日慧は常磐城という家とは反対側にある城跡にいるとそこにコズエが現れた。その時から慧はコズエと話をするようになる。コズエは砂粒やホースの水などを“蒔く”ことがすきであった。
 小学校5年生の頃というのは女の子には初潮が来て、それまでの子供からおとなへとかわろうとする時期であった。慧はそのように変わっていく女子達を避けていた。自分の父親を始め大人達を疎んじるようになっていた。そんなある日、慧は自分の金玉が大きくなってきているのに気が付いた。
 慧やコズエ達小学生が夏休みを利用してまつりの御輿を作り、やがて、“サイセ祭”の日を迎える。御輿は祭りが終わると破壊されてしまうのだ。そんな最中に起こる事件、そして、なかなか想像出来ない結末へと繋がってゆく。
 子供達が成長していく過程での複雑な思い、命や生きること魂の事への気づきがその中でされてゆくのである。
 まあそれにしても西加奈子さんは男の子の“精通”の事についてよくこんなにリアルに書けるものだなと感心する。経験することは絶対にないにも関わらずだ。子供達がとても大切な事を気づき成長して行く姿が愛おしい。なぜこの本の題名が「まく子」なのか?そんなことも思いつつ読んで行くといいと思う。
 そして、この本を読み終え部屋の電灯を消した時、素晴らしいサプライズがあなたを待っているのです。
 是非体験してみてくださいね。

スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する