(これは昨日の話です)
先週、お隣り高砂市に住む友人から鳩時計の修理をしてくれという話があった。
日曜日の午後から触っていたのだが、らちが明かないので今日は我が家へ持ってきてもらった。

今まで時計の修理は実は4つほどしたことがある。一つ目は数字が書いてある板がパタパタと変わるディジタル的アナログ時計。
いまからもう25年ほど前、独身寮のゴミ捨て場で拾ったものだ。修理した後は10年近く使ったが、内部のプラスチックのギヤが崩壊してしまい廃棄となった。
この時計はとても気に入っていた。それは昔空港にあった発着便を表示するあのパタパタと変わる表示盤と同じ形式だったからだ。とても近未来的、そして何だかリッチな気分に浸れたからだ。(ま、今はもうそんなのは空港には無いけどね)
2個目は今でも使っている電池式目覚まし時計。これも30年ほど使っている。FM/AMの2バンドラジオがついており、音楽で目が覚めるというやつ。
3個目はいわゆるトラベルウオッチというもの、盤面に蓋がついており、旅行に携行するものである。
そして4個目はフォルクスワーゲンカルマンギアのインパネに付いていた丸い時計だ。ワーゲンは1966年式までがバッテリーが6ボルトであった。当然、電装品はすべて6ボルト仕様なんだけど、中古で輸入された車を日本で登録するときに12ボルトのバッテリーをつないでしまったがために、すべての電装品がオシャカになってしまったようである。
幸い時計のカバーを外してみると、内部にある針金のようなヒューズが溶断していただけで、これを交換してやったら無事、時計は復活した。
何、時計修理の自慢話してんねん!と言われるかも知れません、失礼しました、本題に戻ります。

”鳩時計”ってどんなイメージをお持ちですかねー?私は幼稚園や保育園にあったイメージですね。毎正時になると窓が開いてハトが頭を出しポッポー!と時間の回数だけ鳴くというイメージです。今回修理をするものはそのハトにプラスしてオルゴールが鳴り、人形がワルツを踊りながら扉を開けて出てくるという凝ったものです。

昔々の鳩時計は柱時計と同じように鎖を引き下ろし、反動で重錘を引き上げ、それが重力により下に下りてゆくのを動力にしていたようですが、今回のやつは電池で動くムーブメント(クオーツです!)と正時になるとふいごが動き、ハトの鳴き声の笛を鳴らし、扉を開けてハトが出る、そして、鳩が鳴き終わると電気接点により、オルゴールのモーターを動かし、ワルツを踊る人形を動かします。更にカムの働きにより人形が一周すると自動的に止まるという代物でした。機械仕掛けと電気仕掛けの併用という結構複雑なもので、機構自体もなかなか興味深いものでした。

さて、不調箇所はどこかと聞いたところ、オルゴールのギヤが壊れ、修理した後、配線の接続がよくわからなくなり、接続したがオルゴールが動かないとのことだった。
内部のトランジスタが載った基板を見て、まず回路を起こしてみる。
これは時計からの信号でオルゴールモーターを起動させ、人形が1周して元に戻った時、カムの働きで停止するという動作を制御しているもののようである。

ムーブメントから出る信号もハトがでた直後、電源電圧の信号がワンパルスでていました。
また、カムは停止のタイミングで一瞬接点が離れるものでした。
ゆえに、正常な動作は時計のワンパルスで起動させ、カムの接点の一瞬の開放で停止させるというものです。
とりあえず今日はハトが鳴き終わった後、人形が踊り出すところまで復旧ができました。
後は人形を一周連続で動かし、所定の位置で停めるという動作を復旧する必要があります。
この基板は電源のプラスとマイナス、ムーブメントからの信号受け、モーターへの動作電源、この4つの端子しかありませんので、基板より外側で配線の間違いがあるのではないかと疑っているところです。(つづく)