かつて田舎家には”応接間”なる部屋があった。来客をもてなすための部屋で日常は使わない。洋間の部屋にはソファやテーブルがあり、暖炉(中にはガスストーブが入っていた)やガラス戸の付いた作りつけの本棚、天井からはシャンデリアがぶら下がり、壁には油彩やカメがつり下げられていた。この文化というのはいつ頃のものかは解らないのだが、この家の以前にあった古い家には洋間は無かったし、暖炉やカメもいなかった。そもそもこの”洋間”と言う言葉も結構古さを感じさせる。今の住宅は板張りのものが普通であり、ごくまれに、畳という敷物が敷いてある部屋やコーナーを作ったりする・・・というのが今流なのだろう。
で、そのような部屋も今はリフォームされてごく普通の板張りの部屋になったわけであるが、暖炉の石板が立派なので大工さんに取って置いて貰った。別に思い出にひたるほどのものでもなくて、単に綺麗であったため棄てるのは勿体ないと思い、逆に棄てあぐねている石臼と組み合わせて屋外のテーブルに使おうと思ったのである。
はぁ、前置きが長くなりましたが、ようするにこの石板を切ったというのがこの記事のネタということです。

石を加工するなんて素人には出来るはずがないし、どんな道具を使うのかすら知らない。石なら石屋さん・・・ということで、石屋の末裔、高砂市のKさんに聞いて見ました。すると、ナント!切断する機械を持っているとのこと。早速機械をお借りして・・・

ついでに技術もお借りしてしまいました。最初は調整です。材料の水平性、切削刃の当たり、切削深さ調整など。

水を刃に噴射しながらレールに取り付けられたグラインダーのダイヤモンドカッターでゆっくりと切って行きます。

厚みは最大約30ミリ、長さ最大約80センチまでの部材がカット出来ます。

うまく切断が出来、大理石のテーブル天板が完成しました。これを石臼の上に載せてテーブルは完成です。次回完成状態をアップします。